ハワイ島(4):満天の星空 [海外旅行記:ハワイ島]
ハワイ島への旅行から帰国して2週間余り、昨日に続いて旅行記の続編を記したい。
初の直行便で到着したその日はホテルチェックインまでコナコーヒー園を観光したこと
参照>>「ハワイ島(1):ハワイ島到着&コナコーヒー農園」
その後、チェックインしたホテルでは、毎日ロマンティックな夕日を眺めてすごしたこと
参照>>「ハワイ島(2):サンセット@ワイコロア」
宿泊したホテルは広大で、メンバーのアップグレードもあって快適だったこと
参照>>「ハワイ島(3):宿泊はヒルトン・ワイコロア・ビレッジ」
などをこれまで記した。
今回は、ホテルで見た満天の星空について。
自分にとって、ハワイ島は「星を観る」ところだ。マウナケアの山頂に日本のパロマ天文台を始め、各国の天文台が連なり、島全体が星がちゃんと見られるように灯火制限や建物の高さの制限をしている。10年前、大金($150~$180)を払って臨んだマウナケアのスターゲイジングツアーは敢え無く天候不良のため果たせなかった。ただ、ガイドのオヤジが地元民ならではの、地表で道端だけど、星の良く見えるスポットに連れて行ってくれて、満天の星を観ることができた。
ハワイ島は場所を選べば、どこでも降るような星を観ることができる。大発見だった。
そんな訳で、今回は高いツアーはやめ、ホテルのテニスコートでの星の説明会のアクティビティに参加。説明は英語だったが、単語位は日本語で「コトザ」とか「ワシザ」とか言ってくれた。天体望遠鏡で星雲をみせてくれたが、肉眼でも充分堪能できた。
そのほかは、部屋のテラス(ラナイ)から、月の沈んだ深夜に南西の空に一杯の星をみることで事足りた。ああ、安上がりだった(^^;
20時頃は、ここハワイ島にあっても深夜ほどは星が見えなかった。ひとつは月が高かったこと。東京では月を見てさえ、「ああ」と思うのに、星を観るために、月の明かりがどれほど邪魔なことか?
目印は「いて座」。わし座のアルタイルはラナイのひさしに隠れてまだよく見えない。月の光が明るく、さそり座などははっきり見えていない。
23時過ぎになると、そろそろ月が沈み、星が増えてくる。天の川も浮かびあがる。
いて座がかなり低い位置にさがり、西側にわし座のアルタイルがみえる。乗り出して西を臨むと自分の大好きなこと座のベガ=織姫星がダイヤモンドのようにそれはそれはキラキラ輝いていた。
夜2時を過ぎたころ、ホテルの各部屋の灯りも落ち、目がなれればテラスからも6等星位まではっきりと見えるようになってくる。気持ちが悪いほどのたくさんの星だ。その時に目に入る一等星は殊更に明るく輝く。
10分に1回は視野のどこかに流れ星がスーっと流れるのが見え、慌てて願いを唱えるけど、最後までいえない。頭の中でさえ。最後は言葉はあきらめ「イメージ」を浮かべて願いとした。そうこうしているうちに、時差ぼけ以上 すっかり夜行性になってしまい、プールにでるのは午後、気づけば夕陽を眺めている。そんな生活を過ごすことになった(^^; でも、自分にとってはビーチより星。それは揺るがない。
さて、なぜ自分は星を観たいのか?
それは、一種の原点回帰だ。自分は小学校の卒業文集に「自分の夢」と題して、こんなことを書いていた。全文引用はしないが、「自分は星が大好きだ。星空を眺めていると、自分がなんて小さいんだろうと感じる。科学者になって、自分の作ったロケットで宇宙に飛び立ちたい」という内容だった。その夢は叶わなかったけど、「星空に自分の小ささを感じる」ことについては、それから3倍位の歳月分実感を増していた。逆に、それを思い出す感受性は1/3位に減じ、視界に一杯広がる星を眺めないことにはいられなかった。
いろんなことを想った。
月の沈んだ深夜の降るような星に比べ、月の高かった20時頃は星もたくさんは見えなかった。地表の明かりもとても邪魔。視界にわずかな光でも入れば自分の眼は暗順応できずに、3等星位までしか確認できない。 「星が見える」ということは何というデリケートなバランスに成り立つことか。さらに、これらの光は実は昼の延長にあり、一日の半分以上は偉大なるオテント様のおかげで星はおろか月すらみることができないのだ。
もし、この星空が全く違う世界の風景だとしたら。
それは、自分に大した感動も与えないだろう。プラネタリウムで観ればもっと細かく、もっと分かりやすく、観ることができるはずだ。
でも、この星は違う。
ただ普段見えていないだけで、生まれた時から、いや、それ以前から、厳然とそこにあるものなのだ。そこにあっても昼には見えず、東京では夜でも見えず、ハワイに行っても月が高い時間は半分は見えず、でも、条件がそろって初めて気づく。「そこにあったんだ。悠久の時間を越えて、そこに厳然と在り続けるんだ」ということ。
今回、さして深刻なものではないが、日常の鬱屈の「救い」を求めてハワイ島に来た。ひとつは、小学生のあの頃に戻って宇宙の大きさを思ってみたい。10年前も今回も、「日常からの逃避」でそこを求めたように思う。そして、10年前にマウナケアで星を見られなかった時は落胆した。軽く「救いなんてないんだ」という気になった。
今回は、それほど金をかけなかった分、単に「童心に帰る」だけでないものを得られたように思う。名の知れぬ6等星以下の星たちが、暑い暑い夏の昼の空にも、実は厳然と存在していること。そこに思いを馳せること。そして、自分を重ねること。。。。
頭の上から照らすような熱い熱い南国の太陽。それをビーチやプールサイドで涼しくすごしながら、待つこと半日。眠ることも忘れて見上げた深夜の無数の6等星たちが自分に語りかけてくれるようだった。
自分たちはここにいるよ
いつもここにいるんだよ
ちょっとだけ、救われた気になった。
次回、最後に
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ビーチ(プールサイド)の時間
参照>>「ハワイ島(5):プールサイドで読書」
について、記したいと思う。
to be continued....
すごく興味深く見させていただきました。私もなぜか星が好きで今度、ハワイに行ってこようと計画中です。
小さい頃の夢が一つかないそうです。最近の日本だと安全のため街灯が増えて明るすぎますから今から星に囲まれるのが本当に楽しみです。ちなみに、すばる天文台の見学にも参加する予定。
わくわく…
by mikko (2008-06-15 18:49)
>mikkoさん
レスが遅くなり申し訳ありませんm(__)m
小さい頃の夢が一つ....
視野いっぱいの星空。かなうことを祈っています(u_u) 自分の代わりにでも(~-^)
by かるきん (2008-06-19 00:19)