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劇団四季「ウエストサイド物語」観劇記:12年ぶり [観劇の記録]

2007年9月15日(土)ウエストサイド物語(WSS)のソワレ公演を観劇してきた。劇団四季がこの演目を上演するのが12年ぶりというから、自分の観劇も12年ぶり。すっかり前回の記憶もうすれ、ちょっとだけ新作を観るような期待感が膨らむ。

この古いミュージカル、自分にとってはナタリーウッドとジョージ・チャキリスの映画が原型として記憶にある。ジーザス同様、中学生の時、名画座で見て深い感銘を受け、ミュージカル映画を観まくった一因となった。その後、ビデオも購入し、LD(古!)も購入した。今買うなら、さしずめDVDだろう。

ウエスト・サイド物語

ウエスト・サイド物語

  • 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
  • 発売日: 2006/10/27
  • メディア: DVD


そんなわけで、この作品の懐かしさは、12年前の四季の舞台にもあり、遠く思春期の頃の映画の思い出にもある。今回はこの2つの過去作品との比較のもと、感じたことを記してみたい。あまりに久しぶりの上演なので、初見の方も多いとは思うが、古典であり、あまりに有名でもあるので、ネタばれを気にせず、述べてあるのでご注意を。

とりあえず、ストーリーはこちらを....
参照>>『劇団四季 ステージガイド ウェストサイド物語』 

12年前の四季の舞台は自分では2回観たつもりでいたが、実は1回だった(^^; 1回は奥さんがひとりで観て、話を聞いていたのを自分もすっかり観た気になっていたのだ。ま、見たか見ないかまで分からない位、曖昧な記憶だということだ。奥さんは当時の芥川英司(退団;現鈴木綜馬)のファンで、一緒に見た1回が石丸幹二トニーだったため、キャス変に伴い、追加で観にいっていた。自分はその後35ステップスなどの音源で芥川さんのトゥナイトを聞き、すっかり耳に染み付いていた。やけにRの発音のいい「マリーア」が印象的だ。そんなわけで、自分の中のトニー像は丸ちゃんのビジュアルに芥川さんの歌のセットとなっていた(^^;

マリアは当時まだ駆け出しの堀内敬子。自分としては、今でも退団が惜しまれる、私的一押しの女優さんだった。オヤジ殺しのカワイさを持ち合わせている(*^-^*) トニーが訪れるブライダルショップで、自分のことを「やせっぽち」と語り、観客は思わずきょろきょろ舞台を探すはめに。今回はその部分「母に似て痩せている」と変わっていたが。。。。敬子ちゃん、今もそうだが、はっきり言ってムチムチだった。

とにかく、この作品、物語はロミオとジュリエットなわけで、どれだけ二人が美しく、どれだけ二人に入れるかに尽きる。とくにオヤジの自分としては、マリアに恋することが重要だ。映画のナタリーウッドは今思い出してもカワイイし、その原型とはギャップが激しいものの、堀内敬子は充分に恋する対象だった。さらに、もうひとり大事なのが、ベルナルド。ウエストサイドといえばこのポスター、というY字に足を上げた3ショットがある。この中心にいるシブイ男。映画ではアゴの割れたジョージ・チャキリス。中学生の頃は憧れだった。カッコいい役者がかっこよくこのシーンを決めてくれなくては!前回は加藤さんと思っていたら、自分が見たのは菊池さんだったらしい。この辺りの配役、そのできが見どころである。

さて、キャストはいかに。。。。


070915WSSキャスト表

今回のキャストで最もよかったのは、樋口アニータ。これまでのあーちゃんの配役を自分は正直好きではなかった。ソフィー、リナはオリジナルなのでまあまあとして、ピコやポーリーは保坂さんの刷り込みの影響で物足りず、全般的にネガティブに評価していた。しかし、CFYの後半頃から、ポーリーもだいぶ板についてきていたし、たぶん、成長したのだと思う。アニータの黒い顔も髪の毛も威圧感のある語り口も、ぴったりだった。ドスを効かすところにやや発声の違和感があるものの、ちょっとしたオーラも感じた。あくまで、カンパニー全体の中でのバランスというか、格というか、そんなものかもしれないが。確かに、看板女優の片鱗を見せ始めたように思えた。

次に注目はベルナルド。振り付け師、加藤敬二先生だ。シャーク団のリーダーを12年以上務める息の長い不良だ。ベテランにして、スターダンサー。加藤さんのベルナルドを観られるとは思っていなかったので、それはそれは感動ものだ。ダンスは抜群にキレがよく、足も一番あがっていて、件のオーバーチュアの3ショットも中心の彼は決まっていた。他のダンサーは付いていけずに問題ありありだったが(^^; それにしても、ダンサー加藤は健在だ。この先、いつまで加藤さんのベルナルドを観られるか?ありがたいものを見せてもらった。映画のジョージ・チャキリスに照らしても、ベルナルドはシブくかっこよくなくては。やはり加藤さん位にシブかっこいい人がありがたい

だが。さすがに加藤さんも顔に老けが見える。周囲がそれなりの年齢の人たちなら問題ないが、いかんせん、若手ばかりだ。少々、浮いている。不良少年の中に組の幹部が一人混じっている感じだ。思わずポンポンと肩を叩いて教えてあげたくなる。。。


こどものケンカにおとなが出てきちゃだめですよ(^-^)


この二人に対して、しっくり来なかったのが主役の二人。映画のトニーはちょっと白ナヨっとしていて、元不良らしくなく、必ずしも好きではなかったので、阿久津トニーはその点のビジュアルは本来の役にマッチしているかもしれない。しかし、問題は歌だ。阿久津さんの歌は「がなっている」ように聞こえる。「マリア」にせよ、「トゥナイト」にせよ、不朽の名曲なのに。ムムム。耳に芥川さんや石丸さんの声が残ってしまっているのが、良くないのかもしれない。比較するからいけないのかもしれない。しかし、笠松マリアが素直な歌声だけに相性が悪く、ハーモニーが美しくない


笠松マリアの歌は素直でよいと思う。芝居もこなしているようだ。だが、自分は このマリアに恋をできなかった。これは、きっと理屈でない、だから説明もむずかしい。ひとつには、もっと心からきらきらの恋愛ビームを発すればいいように思える。表現力かもしれないし、「華」かもしれない。トニーに対する「恋」がさほど伝わらないところから、もしかしたら、阿久津トニーの問題かもしれない。相性かもしれない。ハーモニーが美しくないからかもしれない。。。。でも、きっと一番には、自分の好みなんだろう と思う。

デュエットに感動しない。一番大事なこの二人に入れない。これが一番残念だった。

その他、キャストについて。

  • ジェット団(男子) :西尾アクションがよい芝居。松島リフは人間の顔は初めてだが、悪くない。セリフも歌も悪くない。総じて、キャッツなどでおなじみの顔ぶれなので、親近感もあり嬉しくもあった。「ああ、岩崎さん喋ってる」とか「萩原さん顔、長!」とか、ニコニコして観ていたのだが、なぜか群舞にしまりがなかった。加藤敬二が加わったカンパニーの群舞がこれでは、抜けた時が思いやられる。「マンボ」の場面はよかった。が、その他のジェット団の群舞がイマイチ。がんばっておくれ。キャッツのメンバーには家族のような気持ちになってしまう自分であった。
  • ジェット団(女子) :高倉さん。こんなところに。。。リフの彼女か?偉いんだな?セリフあるし。しかし、ワルとか色気とかちょっとキツイね。啖呵切ってみたり、メンチ切ってみたり、キツイ。自分の中のヘロヘロヘロ~ってイメージが強すぎなのでしょうが。何頭身か分からないスタイルで踊ってる時の見栄えは抜群なのですが。すんません。他のひとたち、よく観てませんでしたm(__)m
  • シャーク団 :ベルナルドとアニータに気をとられて、また、申し訳ないけど知らない人たちばかりで、目が至らず。由佳乃さん のメガネ位しか記憶にない。
    次、気をつけますm(__)m


よく知っていたつもりのウェストサイド。でも、かなり忘れていた。それを思い出しただけでもひとつの喜びだし、2幕の始めの夢のような場面など、「こんなところあったっけ?」という驚きまであった。その意味では新鮮。


しかし、大きかった期待の通りではなく、なんとも消化不良の感じ。たぶん、自分が今回の主役二人に移入できなかったことが原因だ。


でも、たぶん見限ることはない。次はキャスト変更後に観てみたい。願わくば鈴木涼太と木村花代の組み合わせで。作品そのものは今更良し悪しを語る筋のものでもない。キャスト次第

劇団は頑なにそれを拒むようだけど(^^;


劇団四季公式HP :http://www.shiki.gr.jp/
ステージガイド「ウエストサイド物語」: http://www.shiki.gr.jp/applause/wss/index.html

■公演日程 9/8(土)~12/9(日)公演分まで発売中!!
■会場 四季劇場[秋]
■料金 S10,500円 A8,400円 B5,250円 C3,150円 バルコニー4,200円
■予約方法 0120-489-444(劇団四季予約センター)
■問い合わせ 03-5776-6730(劇団四季東京公演本部)

 


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こんばんは!

今丁度、映画版のLD・・・いや、DVDを観ながらかるきんさんのレポを読ませていただきました。
僕が子供の頃、母がとても好きな演目だったようで、ブロードウェイキャストが来日した時に、確かフェスティバルホールに連れていかれた記憶があります。
あの、手を指パッチンしながら歩く・・・というシーンが子供ながらにとても印象に残っていました。

樋口アニタ。
他所でもそうですが、かるきんさんが観られても良かったのですね。
前予をドジったのでこの連休はお預けとなってしまいましたが、来週には是非観にいきたいと思います!

欲を言えば僕も鈴木トニー&花代マリアで観たいのですが・・・
四季の方針とそぐわない希望になるので、これ以上は伏せておきましょうね(笑)

観劇レポのTBを、このあとさせていただきます。
by (2007-09-17 20:18) 

かるきん

>jurunさん
コメント&TBありがとうございます!
そうですか!子供の頃にブロードウェイキャストを。。。あの指パッチンとか、なんかやたらにイメージが記憶に残るところがある作品ですよね。時代を感じさせるものの、一方で、何か記憶に「原型」みたいなものがこびりついてしまっている類の。。。

樋口さん、良かったですよ。自分的には「やっぱり」でなく、「見直したぜ!」なのですが(^^;

希望は胸のうちに秘め、くれぐれも「異常に見過ぎない」ようにね心がけましょう(笑)除名されちゃかなわないですもんね(^^;

jurunさんのWSS観劇記を楽しみにしています(^-^)
by かるきん (2007-09-18 18:16) 

あおい

はじめまして。
私も先日WSSを観て来たのですが、加藤さんの周りとのギャップに衝撃を受けました。
ダンスはピカイチ!ですけど、日焼けしたお顔に刻まれた皺が目立って・・・。
前から2列目で拝見したので、否応なしにも気づかされてしまいました。
かるきんさんの感想、ズバリその通り!って感じです。

全体を通しての感想は・・・かなり期待していたので肩透かしをくらったというひとことです。
まったく感情移入できなかったのですが、かるきんさんの感想を読んで、
主役の2人に共感できなかったせいか・・・と妙に納得してしまいました。

その中でも麻美さんのアニタは良かったですね。
台詞のカツゼツ(母音法ですかね。もうちょっと滑らかに喋って欲しかった)が気になりましたが・・・。

来月もう一度観劇の機会があるので、今度は花代さんのマリアが観られることを期待しています。
by あおい (2007-09-20 13:29) 

ふとっちょおばさん

あまりにも同感でしたので、つい・・・。
私、初日を観て、まさしく同じ思いで帰って参りました。
当日のもやもや感は、一日たつとマリアとトニーに恋するキラキラやドキドキがないのが原因だとハッキリわかったんです。
歌が上手くても言葉が聞き取れても、そこじゃない!!!と思います。
花代さんのマリア観に行きたいです。(やっぱり好みの問題あり~ですね)
でも、私にとっての2回目の17日には全体としてはお芝居のテンポも良くて、主役級以外の方のダンスや表現の硬さが取れてのびのびしてらしたように思います。今まで他の舞台ではお見かけしなかった方(可愛らしい方も発見!)もいらっしゃるようなので~名曲でのダンスナンバー等でも充実しました。又、観に行きたいと思ってます。
by ふとっちょおばさん (2007-09-21 00:36) 

かるきん

>あおい さん
やはり、おなじように観られましたか(^^; 私は12列目でも充分判読できましたが、2列目だと、まさに「目の当り」な感じでしょうね。海外ではおじさんおばさんが平気で若い役をやっているようなので、それもありとは思いますが、周囲とのギャップが激しすぎなのが。。。ネ。誤解のないように言っておくと、私は加藤さんは大好きだし、一番観たい役者さんです。ホント、でも、バランスが。。。

麻美さんの発声には、あいかわらず気になるところは残ってますね(^^; でも、乗り越える勢いがありました。ま、オーライです。

それにつけても、トニーとマリアは大事。次の機会が希望のキャストでありますことを(u_u)
by かるきん (2007-09-21 19:34) 

かるきん

>ふとっちょおばさん さん
コメントありがとうございます。同様の感想をもたれたとのことで、心強く思っています(^-^)

2回目のお話を聞き、すこし安心しました。やはり、アンサンブルなどは日々進歩するものですね。ちょっと嬉しい。その辺りは彼らを信じたいと思います。

私も、また観劇を目論んでいます(^^; やはり、次の狙いは花代マリアでしょうか?あ、涼太トニーも出現のようですね。。。。

まだまだ、期待は膨らみます。
by かるきん (2007-09-21 19:41) 

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