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劇団四季「キャストボックス廃止」について [劇団としての四季へ]

昨夜は、ちょっとした感傷として記した、我が愛する劇団四季のキャストボックス廃止事件。

その後、あちこちのブログを巡回しているうち、自分もちゃんと意見を表明してみようかな?という気持ちになった。結構、見ているうちにブロガーの皆様の「思い」みたいなものが伝わってきて、ささやかなロングテールなブログであっても、日頃ブログで観劇のことなどとりあげているわけで、ちょっと共感してしまった次第。

ざっと、Googleのブログ検索で過去一日で引っかかる記事をひろってみて、皆様の意見を以下のように概観した。(ちなみに、自分の昨夜の記事は検索されず(^^; グーグルハブ?)。

  1. 「作品主義」に対しての異論、反論
    • 「作品主義」はまちがっている
      一構成要素としても、役者の要素は代表が言うほど低くない。巧拙のレベルでなく、役者の個性はある。その個性と客の好みで決まる感動がある。といったもの。 また、価値を低められた役者がかわいそうというもの。
    • 現在の四季は「作品主義」を標榜できるレベルにない。
      仮に役者の要素が小さくて、巧拙のレベルが水準を満たしていたら、感動は一定だったとしても、現在の四季の各演目のレベルは水準を満たすとは認められない。といったもの。
  2. 企業姿勢を問うもの
    • 「廃止措置」につき、事後報告、突然であることを問うもの。
    • 「廃止措置」について、理由の説明をすべきというもの。
    • ファン不在。提供者、企業の理論で動いていること。
      ファンのニーズを無視して、「作品主義」を押し付けていること。
  3. キャストボックス廃止で困ることは何か?
    • 突発観劇/前日予約/追加購入に支障がでる。
      贔屓の役者、キャスト変更など、「キャスト確認」前提で直前にチケット購入をする観劇行動の人たちが、よりどころの情報を失う。
    • 遠征予定がたてられない。
      地方にいれば、遠征しての観劇が必要になる。逆もある。コストはチケット代だけでなく、旅行代金、そのための休暇なども含む。より満足度の高い観劇を期待する。その際、キャスト情報は重要。
    • 擬似観劇ができなくなる。
      キャスト情報で、擬似観劇をする。好きであったり、個性をイメージできる役者が今演じている演目をイメージして、想像を馳せる人たちがいる。毎週のキャスト発表をそれ故楽しみにしていた。
  4. 今後どうなるか?どうするか?
    • チケット購入が減る。
      「突発観劇/前日予約/追加購入」ができない、「遠征計画」たてられないなどで実質的に、チケット購入ができなくなる。
    • ファンとして心が離れる。
      実質的には、困ることはないが、劇団の姿勢への不満からファンとしての心が離れ、結果、観劇が減る、会員を辞めるというもの。
    • 応援こめて、今後の改善に期待。
      実質的に困らない、不満は大きいが、まだ期待をしたい。 改善を期待する、というもの。

これを踏まえて、私の意見を述べたい。


「作品主義」は正しいか?
これは、ミュージカル作品が「工業製品」か?「生もの」か?と議論しているように思われる。もっと言えば、自動車か、レストランの料理か?自分の意見は、後者。自動車はスペックで価値を(かなり)特定できる。料理は素材が一定なら、必ずうまいか?シェフの腕で決まるものではないか?


作品のレベルは一定か?
もし、自動車なら、トヨタ並の品質なら文句はないだろう。だが、現実は「イタリア車」だ。それ自体、まったく悪いことではない。ただ、最高級のイタ車の職人気質を侮辱した上に、自分はトヨタだと偽っている。


企業責任はないのか?
上場企業でないから、社会的責任がないというのはおかしい。社会的責任は、株主に対するものだけではない、年間250億円の売上げをあげ、250万人の動員をする。これだけの商取引をおこなっていたら、社会的通念に基づいた商慣行にならって、正しいことをする責任がある。
また、独占的状況もある。シェアが高いこともそう、メジャーライセンスを独占契約していることもそう。これは、経営力を背景として、買占めをしていることだ。契約として正当でも、競争を阻害するならば、制約を受けるべきだ。まして、業界や市場を育成することを標榜し、公権力にロビー活動を行っているならば、社会的公正に対する責任はあるはず。


そして、企業責任を問うならば、今回の措置の手続き特に告知関連は非常識。

また、企業の価値観を押し付けた上、苦情に対して情報開示を抑制する方向に対処している姿勢は、時代に逆行している。商品に不満が発生する可能性のある要素は可能な限り早期に開示して情報提供に努めるのが一流企業のすべきことだ。

契約の成立する前にすべてのネガティブな情報を提供すれば、あとは責任を消費者に委ねられる。それを拒めば、選択不能な結果に対して責任を負わなければならない。チケット発売前にキャスト発表して購入したチケットで感動するか否かは、購入者の責任。それをしなければ、結果としての「感動」を販売者は保証しなければならない。それが、商品についての責任というものだ。ひとつひとつの芝居は対価を得て提供している限り商品だ。そのことを知るべきだ。

と、今晩は、ここまでにしておく。

もしかすると、さらに続編があるかもしれない。

反論も含め、ご意見はいくらでも受け付けるつもりですm(__)m


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上野のパンダ

こんにちは。
勝手にお邪魔しました。
私は今回のことは、四季にとっては、ある役者を見るために何回も通うようなファンはいらないんだな、という印象を持ちました。
確かにそういうファンによって、チケットが取りにくくなるということもあるでしょうが、そういうファンによって支えられている四季でもあるはずなのに。
とにかく、こんな強気な行動に出られる四季は、他の圧倒的多数である、チケットを売るのに苦労している公演関係者にとって、羨ましい限りだろうなぁと思います。
by 上野のパンダ (2007-09-06 13:31) 

かるきん

>上野のパンダ さん
「四季にとっては、ある役者を見るために何回も通うようなファンはいらないんだな、という印象を持ちました。」
というご意見は当たっています。残念ながら、今に始まったことではなく、古くは、今は東宝のレミゼでバルジャン役をやっている山口祐一朗が退団した時から都度都度騒ぎが起こっています。

劇団の考えと、殿様商売は不変です(^^;
by かるきん (2007-09-06 22:41) 

くるみ

こんにちは。
行かない時でもキャストボックスを覗いては
今週は誰々さんが出てる!と楽しみにしていた地方在住者です。
毎回好きなキャストさんを見るのが楽しみで
チケットを取ってました。
今週見に行く地方公演のユタのキャストもすごく楽しみにしてたのに。
しばらくはキャストのわからないチケットは
買わないと思います。
ファンがいてこその劇団だと思います。
by くるみ (2007-09-07 13:07) 

ベタ子

確かに、発売初日にはキャストがわかっていなくてもチケットはとりますね。でもそれはいい席でその作品を観たいから。それがいい作品なら、もしくは昔から好きな作品なら、違うキャストで観てみたい、と思うからこそまたお金を払って劇場に足を運んでいたわけです。そんな四季ファンの心を消沈させた、今週でした・・・・。がっかり。
京都もう1回行こうかなと思ってたけどやめました。
by ベタ子 (2007-09-07 18:45) 

アマ会員

はじめまして。
今回の事で劇団四季って本当に“ずいぶんとご立派な殿様企業”だなと思いました。ファンの気持ちを考えてるようにはおもえません…。
私はまだ四季会員なりたてですがキャストボックス廃止は悲しいです。
事前に劇場に行くまでキャストが分からないって私にとってはギャンブルです。その日の劇場のお客さんの入り人数とかでキャスト変えるためですかねぇ??夢を見せる商売なのに、なんだか大人の世界を感じました。
by アマ会員 (2007-09-07 19:01) 

かるきん

>くるみ さん
とくに地方にお住まいの方など、機会を作ること、そのための労力からして、一度の観劇の重みはきっと大きいですよね。ネットの情報で見られない間の楽しみを膨らませることも多いでしょう。キャストボックス消滅の痛手もさぞや大きいことと思います。
情報そのものは、公式でなく、ブログとかSNSとか草の根情報で補うとしても、ファンに対する姿勢は、是非考え直して欲しいものですね。
by かるきん (2007-09-08 17:59) 

かるきん

>ベタ子 さん
1回は賭けをしても、いい席確保、でも繰り返しはキャスト次第で、という行動パターン、私もです!
意気消沈ですよね。ファンの「がっかり」を劇団には是非理解してもらいたいですね。
by かるきん (2007-09-08 18:02) 

かるきん

>アマ会員 さん
そうなんですよぉ。「ずいぶんとご立派な殿様企業」だったんです。劇団四季。ただ、どうやら、「一人の殿様がいる」ということらしいんですけどね(^^;

ま、日々入場者の状況をみて、キャストを代えるほどきめ細かな技は持ち合わせていないように思えますが。。。どちらかというと、台所事情がきつく、やりくりに苦労しているので、融通が利くように。また、結果、酷いキャストになっても文句をいわれないように。「キャストなんか関係ないんだ」と突っぱねる姿勢を見せるために。というあたりが理由かと推察します。いずれにしても、大人の世界には違いないですね。

いずれにしても、ファンはギャンブルを強いられることになりましたよね。ひどい話です。
by かるきん (2007-09-08 18:12) 

ミチコ27

鹿賀ジーザス、滝田ユダ、久野マリア、市村ヘロデ以来のJCS好きです。およそ四半世紀に渡って色々なキャストでJCSを見てきました(もちろんJCS以外も)が、今年のキャストは本当に魂を揺さぶられました。そして京都のチケットも購入、流れで久しぶりにキャッツを観にいき、キャストボックスに八重沢さん、久野さんの名前を見つけては思わず福岡まで飛んでしまいました。なのに何年か振りで会員の申し込みをした翌日のキャストボックス廃止!!一日に何回かアクセスしていたのですぐに携帯サイトの200字コメントに投稿しましたが、案の定採用されるわけもなし。今のこの消費社会、何で成り立っているかって、ブランドも食べ物もあらゆるものがリピーター。それが好きだからそこに行く、そこにお金を落としたい、何故ならそこには価値=夢があるから。こんなあたりまえの、ファン心理を忘れてしまった浅利慶太さん。あなたは何をめざすのですか?そしてそんな劇団に所属する俳優たちの夢はどこへ行ってしまうの?金太郎飴の舞台なんて、俳優たちは面白いと思うのでしょうか?貴重な俳優達が劇団を離れてしまわないうちに気づいて下さい!!ファンにとってのメリットは、劇団にとってそんなにデメリットなのでしょうか。皆さんがおっしゃるように、廃止の理由が知りたいです。この声はどうやったら劇団に届くのでしょうか、そして彼らはこんな声を聴く気持ちがあるのでしょうか?まだまだ応援したいのに!!!
by ミチコ27 (2007-09-21 00:22) 

かるきん

>ミチコ27 さん
鹿賀ジーザス時代からの年季に率直に感服するとともに、役者たちへの思いの「重さ」を感じました。全くもって、同じ思いです。

この次の記事で、私は自分が真に願うのは、ファンの愛した役者たちが辞めないでいられることであり、周囲の昔ながらのファンが離れていくことが淋しいと書かせていただきました。

そして、多分それが劇団代表の存在によるもので、そこに声が届かぬことに、苛立ちと、虚しさと、諦めも半分感じています。

>まだまだ応援したいのに!!
そうなんです。その気持ちを劇団には、一番理解してもらいたい。今、声をあげている人たちは、もとから興味のない野次馬でも、既に離れてしまった皮肉屋でもなく、一番思いの深い現役のファンであること。それを、しってもらいたいです。
by かるきん (2007-09-21 19:23) 

ミチコ27

かるきんさん、ありがとうございます!先日このブログを知って思わず指の動くまま、勝手に気持ちをぶつけさせていただいちゃいました。あとから落ち着いて色々なコメントを読ませていただき、劇団の背景を汲み取りながらも四季を応援するみなさんの気持ちに触れられてほっとすることも・・・。今でも週があけると、ないとは知りつつケータイでキャストボックスを探してしまう私です・・・。
by ミチコ27 (2007-09-22 13:23) 

かるきん

>ミチコ27さん
哀しいかないまだファンとして、共感もちょっと得られたようでとても嬉しいです(^-^) また、コメント寄せてくださいね。今後ともよろしくお願いします。
by かるきん (2007-09-24 12:00) 

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