SSブログ

劇団四季「ウィキッド」プレビュー公演 観劇記 [観劇の記録]

昨日6/15、劇団四季の新ミュージカル「WICKED」のプレビュー公演を観て来た。劇団四季のオフィシャルサイトで募集されていた「ブログ記者プレビュー公演招待企画」に応募してのものだ。当初の意思に反して、「ミュージカル好きのオヤジ」を標榜するわりにはグルメ日記と化しているここのブログだが、だめもとで応募したところ、厳正な抽選の結果「当選」に至ったのだ。実は、一度落選通知がきて、次に当選通知がきて、????となってたら、「当落の誤通知」のお詫びが来てやっと自分の当選に確信がもてた、などというエピソード付きのプレビュー。





 

海劇場の脇には、ビジネスショーのような特設受付が設置され、当選メールの印刷と会員証を提示する。





 こんなステッカーを貼って、半分プロ報道記者の気分。他の窓口に並ぶプロの報道記者よろしく、プレス資料をもらい、チケットは封筒に入って並べられたものから選んでとっていく。会社帰りで駆けつけてみると、すでに残は6席。いったい、何人招待され、ブロガーたちはいつ受付に並んだのだろう(^^;

席は凄いぞ!!3列センターブロック下手角。「え?3列目?すげぇ」と思って油断して席についたら、それどころでない。オケピに潰され、3列目はかぶりつきだ!!!

自分の後ろ数列は見たところブロガーたち(つまり、いつもの濃いいファン)だ。だが、たぶんそれは3列程度で、その後ろは違う招待とみられる。通路をはさんだ下手ブロックは芸能人のオンパレードだった。同じ列ではモデルのSHIHO(だと思う)。後ろの列に保坂尚輝、その後ろにMIE、次の列に山本晋也監督と梨本レポーター。幕間のロビーでは、岸谷五郎とか、名前が思い出せないいろんな人が。。。

とりあえずミーハーな気分を満足させてもらった(^^)v が。。。

やっぱり、自分たちとは明らかに色が違う。たぶん、舞台とのインタラクション。拍手ひとつにしても。たぶん、自分たちが世間離れをしているんだろう。ヲタク?

まぁまぁ。。。

プレビューというイベントもワクワクだったが、わずかでも早く、新作ミュージカルを観たわけだから、作品とパフォーマンスを記すべきだろう。

実は自分、会員先行予約で例によって気合いれて、6/17初日のチケットを取っている。席は2F後方の切ない席だが。

だから、音楽評、キャスト評、は2度目ながら初日の次回レポに回すこととしたい。

参照>>劇団四季「ウィキッド」初日公演 観劇記


今回は、「初見の作品」としてのWickedはどうか、そして、うちの奥さん含めてこれから観るひとへのミドコロ的なものを僭越にも語ることに絞りたい。

あらすじは、劇団四季の公式HPを参照。。。
http://www.shiki.gr.jp/applause/wicked/story.html

まず、純粋にこの作品は

おもしろい

どこが?。。。自分は、思う。

ひとつは原作の おとぎの世界にワクワクしてしまう こと。ここを理解するために、是非「オズの魔法使い」を読み返していただきたい。1900年の古い話にその原点はある。オーバー・ザ・レインボーで有名なミュージカルの原作以降も、L.F.ボームは14冊のオズ物語を残し、その死後も他の作家によって書かれ、それらを含めて40冊の「公式な」オズの話があるらしい。このウィキッドも、そんな流れにある「誰も知らないもうひとつのオズの物語」なのだ。歴史を知ると寺社めぐりの修学旅行もより楽しい。作家のエピソードを知ると美術館の絵画も違って見える。この作品で描かれる「オズの国」が知らない世界ではなく、小さい頃自分がドロシーになって冒険を繰り広げたあのオズの国だと想像するとワクワク感も自ずと広がるというものだ。



そして、想像のオズの世界を見事に再現する舞台装飾、美術、衣装のおおがかりさ。トニー賞を受賞したといわれるこれらの仕掛けはディズニーにもオペラ座の怪人にも負けていない。劇団四季の素晴らしい照明技術も手伝って、まさに圧巻の舞台となっている。ストーリーを抜きにして、音楽と踊りと美術だけでショーとして観てもきれいで楽しい。ユニバーサルスタジオのアトラクションになっているのもむべなるかな。



勧善懲悪でないこと。これも自分は好きだ。魔法使いは悪いやつだ、最後には懲らしめてすっきりすることも必要だ。だが、それはテーマではない。この物語はそもそも「オズの魔法使い」の悪い魔女の真実の物語。世の正義を「違った見方で見た」物語だ。今の社会、戦争やテロがなくならない現実からも正義がひとつでないことは明らかだし、エルフィの受ける「悪者扱い」は身の回りにはびこっている。ひとによってはそこに「いじめ」の構造を見るかもしれない。多かれ少なかれ、生活する中では何らかの理不尽さと社会の圧迫を誰も感じているものではないだろうか。エルフィはそんな圧迫された者の象徴。作者は、社会の悪者の視点に立ち、実は誰よりも優しく、真っ直ぐで勇気あるものとして描く。エルフィに自分を重ねて観る時、ひとは勇気づけられ、救われるに違いない。そこに、ディズニーやハリウッドのアクションもののような単純な「勧善懲悪」とは異なる文学性の高さがあると思う。



いい作品だが、ストーリーが面白いだけでは、リピートはしない。「泣きどころ」が必要だ。お気に入りの演目には泣きどころがあり、そこは自分にとってのツボであるから、時によって感じ方も違ってくる。おきまりのストーリーだが、泣きどころに感情移入することで、落ち込んでいるときに元気をもらったり、イライラを解消するカタルシスとなったりする。だから、その時の気分気分でまた観たくなる。そうしてリピートして行き、いつかお気に入りになっていくものだ。そして、今日は役者がそこをどう演じてくれるのか?それが、お気に入りの演目を都度評価する時の基準となる。オペラ座の怪人なら"All I ask of you"を歌うクリスとラウルを陰で聞くファントムや最後に見送る背中だったり、ジーザスクライストスーパースター(JCS)なら、最後の晩餐のシーンだったりする。この演目はどうだろう?



この演目の泣きどころはエルフィとグリンダの友情そのものだ。シーンでいえば、仲良くなり、対立し、嫉妬し、再開して取っ組み合いをし、それらを積み重ねて"For Good"で最高潮に達する一連の「二人の」シーンだ。自分はオヤジだから、この二人のどちらにも入れない。にも関わらず感情移入してグッときてしまう。不思議だ。特別にいい席だったため、臨場感が手助けをしたのかもしれない。初見では珍しく"For Good"のシーンでは軽く涙がでた。



キャストや音楽とについては、明日、初日をみてから改めて記したい。簡単に触れると、エルフィの濱田めぐみは濱田節炸裂!時々、ポリーやアイーダに見えたりもする。黒や緑や「塗り物」には嵌っている感があり、クライマックスの歌は迫力があり素晴らしい。グリンダの沼尾みゆきはクリスティーヌの時は上沼恵美子みたいでラウルの気が知れなかったが、この役はなかなかよい。華やかなアイドルにはみえないが、地味で庶民的なところが、性悪に徹しない人のよさをかもし出して微妙なバランスを保っている。音楽は後から思い出せないが、作品にとけこんで心地よく聞こえていたので、たぶんかなり良いと思う。いくつかの曲は聞き込んで耳になじめば、相当好きになる予感がする。



初見としては過去のお気に入り演目と比較してもかなり上位にある。70回位観ているキャッツよりも、毎回何かが深く心に残るJCSやコーラスラインよりも、初見時の印象は遥かに良い。舞台美術に圧倒され、初見時の印象だけは鮮明なライオンキング、マイベストミュージカル-オペラ座の怪人にも近いレベルの好印象だった。さて、今後はどうなっていくのか。



いよいよ、明日は初日、泣きどころを深堀し、音楽を一歩耳になじませ、舞台全体の美術をやや遠くから見渡し、ポイントの役者の演技により注目して、感動を新たにしてきたいと思う。そして、初日というイベントについて、キャストと音楽について、より踏み込んだレポを残したいと思っている。

ウィキッドイルミネーション 



劇場を出てエスカレータを降りると、広場はすっかり「エメラルドの都」と化していた。ロングランに向けて準備万端か。自分も幾度と無くエメラルドの都に通うことになるのかもしれない。


劇団四季公式HP :http://www.shiki.gr.jp/
ウィキッドスペシャルサイト: http://wicked.jp/index.html

■公演日程 2007年6月17日(日)開幕~ロングラン公演
(2008年4月6日公演分まで発売中)
■会場 電通四季劇場
■料金 S席/11,500円 A席/9,450円 B席/6,300円 C席/3,150円
■予約方法 0120-489-444(劇団四季予約センター)
■問い合わせ 03-5776-6730(劇団四季東京公演本部)




いろんなblogでの「ウィキッドプレビュー公演」の評判;

  • 日々是ツブヤキ エメラルドシティ:友人のAYAさんのBlog『期待通り。(中略)でも期待通りなので、楽しかったです!面白かったです! 。』『女同士の友情とかって言われてますが、私には友情は見えなくて疑問でした。 』
  • omnivorous:ウィキッドプレビュー公演:プレビュー公演について連載『「ウィキッド、最高!四季、万歳!」と、劇場で叫べなかったので今、叫んでおります。本当に、本当に、素晴らしかったです。』
  • (一部削除しました。。。。)
  • ★のの日記:WICKED:劇団四季観劇日記『本がまたいいのです。単純明快なものがヒットすることが多いブロードウェイ作品にしては、色々と考えされられる内容でした。』

nice!(2)  コメント(12)  トラックバック(3) 
共通テーマ:演劇

nice! 2

コメント 12

じょー

かるきんさん。
じょーと申します。
すごいうまくまとめていますね(^0^*
自分も見習わないと・・・。w
by じょー (2007-06-16 14:54) 

かるきん

>じょーさん
いえいえ、うまいだなんて(笑)
私こそ、見習わせていただきます(^-^)

また、じょーさんのブログみせていただきたいと思います。
よろしくお願いします。
by かるきん (2007-06-16 15:10) 

ウィキッド、もう観はったんですか!?
流石ですね、かるきんさん
ウィキッド、むっちゃ観たいんですよ。チケット取れるかな!?
人気作品ですからね。猫も見たいし・・・
冬は、四季劇場に通い詰めかしら!?
大阪でも、やって欲しいです。
先日、知り合いの方にオペラ座の怪人を観に連れて行って
貰いました。
やはりよかったです。13年前の大阪公演も見ましたけど、
ロンドン版もブロードウェイ版も何度観ても良いですね。
出来たら、あと2・3度は、見に行こうと思案中です。
ハービスエントのキハチでは、オペラ座の怪人に合わせたドルチェが
ありますよ。(^_^.)携帯で撮るの忘れたんですが、
他にも色々と共同企画があるみたいです。
是非に、大阪にお越しくださいね
by (2007-06-16 15:51) 

きなこもち

こんにちは!コメント、そしてブログの紹介もしていただいちゃってありがとうございます!
芸能人組は下手だったんですねw
せっかくだからと上手を一生懸命探してました(汗
とってもきれいにまとめてあって感動しました!
こんな素敵な記事が書けるよう頑張りたいです。
by きなこもち (2007-06-16 15:51) 

かるきんさん、こんにちは、つばさです。
さっそくお邪魔させていただきました。
これぞブログ記者、と言うようなすばらしいレポートですね。
奥が深いです。
そして同じ作品を見ても、やはり観る人物が違えば視点も少しずつ違い、それぞれの感想を持っているのだと改めて感じました。
色々な人の感想を読むのは新しい発見に繋がりますね。

初日の感想やレポートも楽しみにしています!
それでは、失礼します。
by (2007-06-16 17:10) 

AYA

こんばんは~。
昨日はお疲れ様でした。
ポスター忘れちゃったんですね(^_^;)残念。
私、貼らないので差し上げましょうか~?
そして、さすがのレポです。
私の書き殴りレポとは訳が違います!
初日の感想を読むのがすごく楽しみです♪
by AYA (2007-06-16 20:08) 

かるきん

>doraさん
Wickedうまいこと抽選に当たって先に見てしまいました(^^; 面白いです!
マンマ、ファントムと大阪は海劇場の後を追っているので、次はWickedも大阪でしょう、間違いなく(^^)v
ファントムは何といってマイベストですから、大阪でまた観たいとおもっています。キハチのドルチェとは見逃せない(@_-)
旅の楽しみなんですよね。次はいつかな?
by かるきん (2007-06-16 23:36) 

かるきん

>きなこもちさん
ブログを拝見して、興奮伝わりましたよ(^-^) いろんな角度の連載すごいです。プレビューの場では、偶然芸能人は下手が多かったようですね。ちょっとラッキーかな?

また、感想読ませてくださいね~。
by かるきん (2007-06-16 23:43) 

かるきん

>つばささん
その後、その3まで読ませていただきました(^-^)

いいです!

いろんなことを書きたい気持ちが現れていて、本編の演目もさることながら、改めて人それぞれの感想や批評もかなり面白いと思いました

また、感想など交換させていただきたいです!
by かるきん (2007-06-16 23:57) 

かるきん

>AYAさん
いやいや、ポスターは諦めですよ(^^; そもそも、お宝は貼らんでしょう(笑)

AYAさんの生の批評にはかなわないですよ!

また、劇場で~。今度は奥さんにも語らせないとね(^^)v
by かるきん (2007-06-17 00:05) 

りん

私の日記に訪問していただき、ありがとうございました。
また、かるきんさんの日記にも紹介していただき、嬉しいです。
レポを読ませていただきましたが、しっかり書かれていてとても良いレポでした!
そういえば、岸谷五朗さんがいらっしゃってたのですか?
うわー!!私、昔からずっとファンなんですよ。拝見したかった・・・。
昔岸谷さんの舞台に李さんが出たことがあったので(アンサンブルで)
フィエロの李さんを見て嬉しかったんだろうなーと思います。
素敵なブログなので、またお邪魔させていただきますね。
よろしくお願いします!
by りん (2007-06-17 00:56) 

かるきん

>りんさん
こちらにもコメントありがとうございます。勝手に日記を紹介させていただき失礼しました(^^;

りんさんのディテールの記述はきっと濃いいファンたちに絶賛と思いますよ。すでに、、「ヌァーー!!」がかなり響いているようですし(笑)

また、感想など読ませてくださいね。よろしくお願いします!
by かるきん (2007-06-17 01:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 3

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。