博多③:アイーダ観劇 [観劇の記録]
「かろのうろん」で腹ごしらえをした後、足をのばしてキャナルシティへ
ひさびさにやってきた福岡シティ劇場。演目はディズニーミュージカル「アイーダ」。旅行にあわせて前日予約でチケットを確保し、センターブロック前方のいいポジションで見る。
福岡シティ劇場前の公園回数表示版。まだ、アイーダは始まったばかり。毎月先着1000名まで、会員向けに記念品をくれるらしいが、それは4/22に完了だったらしい。
このアイーダ、オペラで有名なので物語りは知る人がおおいかとも思うが、東京で未だ公演がないため、実際に観た人は意外に少ないのではないだろうか?トニー賞こそ取り損ねたものの、ブロードウェーミュージカル&ディズニーの大作なのだが。。。あらすじから掲載すべきかとも思うが、そこは、四季の公式HPを参照していただきたい。
自分のアイーダ観劇は約2年ぶり3回目。前2回は大阪MBS劇場でのものだ。その時のキャストは、濱田アイーダ、阿久津ラダメス、佐渡アムネリスの組み合わせ。劇団四季でのオリジナルキャストにあたる。濱田アイーダがなかなか熱唱していた。今回のキャストは、井上アイーダ、福井ラダメス、佐渡アムネリスの組み合わせ。さて、あらたな、アイーダ、ラダメスはいかに。 昨年のエビータで期待以上の好演のもと、「チエビータ」の存在を四季ファンに知らしめた井上智恵に注目。
井上アイーダは濱田アイーダに負けぬ熱演だったと自分は思う。だが、正直、エビータで受けたほどのインパクトは感じなかった。乗り移ってはいなかった。たぶん。チエビータほどに、チエイーダにはなっていなかった。
もしかすると、俳優は同じように入っていたのかもしれない。乗り移って見えなかったのは自分がアイーダという役と、作品そのものに入ってなかったのだ。エビータほどには。
アイーダにはなんだか共感できない部分がある。それは「アイーダの恋」だ。
背負わされた王家の運命、人民に対する責任・使命と自分の恋との板ばさみ。ロミオとジュリエット型の古典的な悲劇的恋のシチュエーションである。奴隷となった人民の苦しみや迫害、自分のために犠牲になる腹心の家来。遠き祖国-美しきヌビアをを思い、人民とともに熱く熱く歌い上げれば、対比から恋愛は否応無く悲劇性を高められ、永遠の時を超えて誓い合い共に地中に生き埋めとなるクライマックスにはおのずと涙がとまらなくなる。。。。
。。はずなのだが。。。。。
簡単すぎるのだ。たぶん。敵将に恋に落ちるのが。確かにそんなことはあるだろう。奴隷の身で優しくされればそれもある。迫害されたユダヤ人が庇護者のシンドラーに恋をしても不思議はないし、監禁下の被害者が犯人と心通じてしまうこともある。自由を奪われた状況は特別だ。そして、ラダメスとの間には共感がある。背負わされた政治の束縛。自由な生き方へのあこがれ。すべてを捨てて自由な世界へふたりで旅立ちたいと求愛されれば、心も揺らぐかもしれない。しかし、その共感はどうだろう?自由へのあこがれを共有しつつ、エジプトの未来と王や親の期待を背負って、常に葛藤し続ける姿がラダメスにあれば、その共感もリアリティを持って伝わるだろう。だが、ラダメスはいつも家に背を向け、簡単に家財も今の生活もすてて恋人と逃げてしまうお気楽な男だ。だめだ、アイーダ。迫害された祖国の人民の期待を、そんなお気楽な男と天秤にかけるなんて。お前の身代わりで死んだ、忠実なネヘブカの思いはどうなってしまうんだ。。。。。と、そんな気持ちが先にたってしまう。どうも、ラダメスの存在が薄っぺら過ぎる気がしてしまうのだ。
ちょっと言い過ぎた。が、根っこにそんなところがあるので、とってつけたようなラブロマンとなり、そのあたりがディズニーだなと感じてしまう。
だが、一方で舞台のきれいさ、豪華さはさすがのディズニーだ。とにかく、鮮やかでいろとりどりの光の演出。凝りに凝った装飾。長ランダンサーズの踊りも見応えあるし、アムネリスのファッションショーにも目を奪われる。楽曲も耳になじんできて、なかなかよい(自分的にはディズニーとしては、エルトンジョンよりアランメンケンが好みではあるが)。構成的にも、博物館ではじまるオーバーチュアと博物館で終るエンディング。よくできていると思う。新しいキャストの補足としては、ゾーザーは年齢柄、今回の大塚さんは若いのでやはり飯野さんだと思ったが、ラダメスは今回の福井さんの方が歌の面で自分は好きだ。
そんなわけで、ストーリー的にしっくりしない部分を残しながらも、圧倒的な舞台に手応えを感じ、東京でみられないアイーダでもあり、博多まで来た甲斐があったぞよと、納得して劇場を後にした。
余韻を胸に、向かいのグランハイアットの2Fラウンジで、オリジナルデザートを食べた。ちょっと記念になった。
そして、我が家のおみやげにアイーダオリジナル「にわかせんぺい」を。ちゃんとおまけのお面がアイーダなのだ。
さあ、観劇もすんだ。中洲川端にもどり、ホテルにチェックイン。今晩は、博多遠征お楽しみの第1弾。名物「水炊き」だ!
to be continued......
ほうほう。
ちえさんのアイーダはまだ発展途上中って感じなんでしょうかね。
濱田さんしか観た事ないけど・・・。
ラダメスは、私も実は阿久津さんより福井さんのが好きです。
大塚さんのゾーザーは無理ありすぎやと思ってます。
老け顔に見せるための変な皺はない方がいいと思います(笑)
でも、ワッキーったらこっちにいるのですね~。
そして、実は密かに気に行っている団こと葉ちゃんがアイーダに!
久しぶりに観たいですな、アイーダ。
にわかせんぺいのアイーダ版売ってるなんて知らなかった!
すごい!凝ってますね~!
by AYA (2006-05-07 00:59)
>AYAさん
確かに、大塚さんの皺、強烈です(笑) 自分的には北大路欣哉に見えてしかたなかったですけど。
ワッキーがCFYから消えたと思ったら、ここにいたのですよ(^^; やはり、あのでかい長ランダンサーズには不可欠ということでしょう。
団こと葉!いたですよ。ネコでなかったけど、顔かたちで判別つきました。さすがに知らないアンサンブルが多かったので、ちょっと懐かしい気分になりましたよ。
by かるきん (2006-05-07 01:25)